不思議な目
ぽえむ君

幼い頃
誰かに見つめられて
動けなくなったことがある
逃げるので精一杯だった
不思議な目だった
そんな記憶を思い出しながら
公園のベンチでうたた寝をする

家でちゃんと寝ようと思って
目を開けて起きるてみると
そこは昔だった
懐かしい建物が立ち並び
古い車がいくつも走っている

どうやら時を移動したようだ
公園では園児が遊んでいる
砂場で泥と一緒になる子
滑り台を逆さに上る子
なんだか楽しそうだ

ふいに後ろから
誰かが自分にぶつかった
よそ見をしながら走って
ぶつかったらしい

振り向いて驚いた
それは自分だった
何を話せばよいのか
わからなかったけれど
「気をつけて、道を歩くんだよ」
園児のぼくは固まったままだった
小さくうなずいて
必死になって走り去って行った

もう一度目を閉じてみると
園児たちの声が遠くなっていった
いつもの今に戻れたらしい

不思議と背中が痛い


自由詩 不思議な目 Copyright ぽえむ君 2007-05-22 13:33:33
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