あしたのわすれもの
あおば
2007/05/19
なんと
微かな光だろうか
北緯45度を超えた
真鍮色の不安の日
ピアノの弦を叩く
叩かれてから音が
音が発生してから
届けられた感情が
部屋の隅々に響き
照明を明るくして
認識を明るくして
柔らかな雪の夜に
震える音も届かず
凍り付いた二重窓
天然孤児の私たち
寂しくない少しの
認識があればこそ
吹きだまりの中に
飛び込んで隠れて
それだけのことで
不憫なことは何も
無かったと言った
自由詩
あしたのわすれもの
Copyright
あおば
2007-05-19 22:55:43