零れた言葉をすくって
渡 ひろこ
古びた大学ノート
色褪せたページに
静かに眠る
言葉たち
何年も前に
走り書いた
ほとばしる
想いの数々
作品と呼ぶのには
あまりにも
ふぞろいで
できそこないや
はねっかえり
おちこぼれ
ばかりだけれど
みんなワタシから
生まれた
こどもたち
忘れさられて
しまうのは
忍びないから
陽の目を
見させて
あげましょう
ほつれた髪や
みだれた裾を
ととのえて
あのころの
素直な
姿のままで
こわれぬように
手のひらに
すくって
フォーラムの海へ
そっと
浮かべる
自由詩
零れた言葉をすくって
Copyright
渡 ひろこ
2007-05-19 00:41:17
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