碧鉱石
水町綜助

飴玉を噛み砕くように
そのひびのはいりかたのように
割れてしまうのは
誰で
何故なの
五月だ
熱くも冷たくもない
こんなふうにあるだけの季節に
遠いからうつくしい
空はそこまで上ればただつめたい空気だ
どこにいるかもわからない
なぜみんなそんなにもみるんだ
なにもないよ
なにもかかわりあいがない
どうしてか青い
皹をいれてみなよ
切れるから
手が

 *

おりしも天気雨だ
激しく降る雨だ
灰色の壁に街路樹の緑があって
みんなずぶ濡れで輝いてきれいだね
またツツジがひらくよ
もう季節の終わりなのにね


自由詩 碧鉱石 Copyright 水町綜助 2007-05-18 08:35:02
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