かげりとかげらぬもの
黒川排除 (oldsoup)
うっすらと花を押さえるのは見ぬふり
小鳥が浮かんだり沈んだりする空か水
また鴉に戻ろうとした墨汁で書く
ごみを焼く朝の延焼覆う影
無償ではたらく室内窓割って室外
テーブルにカメラ置くパリ常に動き
終電の内部で時雨に突く頬杖
家庭科室で粉握りしめ誰かの手
水撒いた野原に頼まれて帰る
花は朽ち銀河の紫は踊る
深夜唸る自販機ビルと対比して
スイッチ踏むと蛾の形に切り抜かれる現実
象の箱に立派な取っ手付けてもらう
顔に触れるカーテン・鴎のはばたきなど
眠り危うく本の並びに迷いこむ
いつか見た昔のわたしも同じ朝
風に揺れぬ半畳ほどが部屋の芯
ひかり跳ねる水源ちかくにニス塗って
手続きに燃えて見える林 肌色
花束にするときだけ外す目隠し