Déjà vu
麻生ゆり
もう 戻れないのかもしれない
戦慄にも似た 予感
夜空を見上げると
瞬くシリウスの
見るたびに変わる青い光に
どこかが 痛くなる
目がくらむくらいに
その光が 強い
それから横を見ると
ふわりと
君の髪がゆれる
軽い既視感
ああ あれはいつのことだっけ
憧れはいつも遠く
私は 醜くなってゆく
確実に すすんでゆく
侵食され 犯され なお光を求めて
黒いものが徘徊する
それが
絶え間なく苦しい
だけど
愛せない自分に
苛立つのだ
誓いをはたせず
夢ばかり 綺麗なものばかり
追い求めているのだ
それは
奇跡みたいなものじゃないか
もう 本当に 戻れないの?
等しく 全てを飲みこんでいたいのに