あたしがハルミちゃんをすきなりゆう
美砂

きょうハルミちゃんがくる
あたしにはおねえちゃんがいないから
ハルミちゃんがおねえちゃんのかわりとか
そんなたるいりゆうじゃない
だって妹にとってあたしはそんななまやさしいものじゃないし

ハルミちゃんのことがすきなのは
ハルミちゃんがあたしのことを
細い線かなにかみたいに、
か弱い女の子だと思ってるから
そう思われてることがうれしいんじゃなくて
そう思うことしかできない単純さがいい
ばかだったらいやだよ、でもハルミちゃんは
頭がいいし、明るいから、まぶしいくらい明るいから
暗さがないから
暗さってわかるかな、
暗さって最初からあるんだよ、
あとから、できるものじゃないの
ハルミちゃんが落ち込まないとか、そういうわけじゃないよ
でも、暗い顔をしているときでさえ、ないものはないの
あたしと同じものはけしてないの

あたしには暗さが
妹には激しさが
ハルミちゃんにはそれがない
ひとかけらもない
このさきうまれることもない
あたし、ハルミちゃんがこんなことは死ぬまで考えもしないっていいきれるな。

だから、すき。



自由詩 あたしがハルミちゃんをすきなりゆう Copyright 美砂 2007-05-16 22:54:45
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