99、1つと無い 【ひとつとない】
雨宮 之人

ひとつ、落とされた
おまえは、今ここにいることを
ひとつだけ、落とされた
おまえが、明日笑っていることを

ひとつだけの、空が包んで
ひとつだけの、大地と挟んで
サンドイッチ BLTどころの騒ぎじゃないここで
全然ない、この場所でしかない、おまえと、俺は

うずもれたゴルフボール
ある日転がり落ちて割れた
そういう日が、いつか(明日かもしれない)訪れて

ひとつだけのおまえが、いなくなったら
そうしたら俺は泣くんだよ
泣きながら、果てで、祈るんだよ


自由詩 99、1つと無い 【ひとつとない】 Copyright 雨宮 之人 2007-05-16 19:57:09
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