明日に吠えろと言われても
酸化した矜持が邪魔だし
干上がった克己心は安定を望むし
理論武装したら脱ぎ方が分からないし
大体、明日は吠えられ慣れているのか不安です。

明日に吠えろと言われても
無傷を誇る忠誠はあてにできないし
求める姿を求めている姿に食傷してしまったし
欲望を真正面から見られないし
クリアすることだけが生き甲斐なんて寂しいし
大体、明日の位置も判然としないのです。

明日に吠えてしまうのは
今日の不足を確定するようだし
明日になって吠えてしまうのは無意味だし
その無意味さもこの瞬間だけのものかもしれないけども
それでも人間なんて抱えるものが多すぎるから
ここは一つ、狼を集めない程度に吠えてみるのも
妙案かもしれません。

いっそ、もう吠えてしまって
そこを明日にしてしまいます。