慟哭
麻生ゆり

遠くから 私を呼ぶ声がする
振り返ると そこには 大切な人たちがいた
手をふって 微笑んでいた
あのときのままで
どうして 気がつかなかったんだろう
あんなに 心寄せていたのに

いつだって 無力感におそわれている
そんなものでしょう?
自分ひとり 大切な人ひとり
幸せにできるかわからない
そんな中で
毎日が 過ぎ去っていく
祈ることしかできなくて
祈っても 叶わなくて
そんな虚しい心持ちが
どこかまた 不安にさせる
そして
孤独を 呼び集めるんだ

救われたいのは 本当に自分なのか
問いかけてみるといい
聖人たちの嘆きが聞こえないか?
世界は あまりにも広くて
あまりにも 頼りない
どこかで 誰かが目に見えない涙を流し
誰かが 聞こえない悲鳴をあげている
そしてそれは
隣にいる 君なのかもしれない
ほかでもない 私なのかもしれない

今 せいいっぱいの感謝を
側にいる人たちに 捧げよう
今 せいいっぱいの感謝を
遠くにいる人たちに 捧げよう
そして
もがいて あがいて
つぐなって あがなって
いつか 浄化するために
その日まで
私は叫び続けるんだ


自由詩 慟哭 Copyright 麻生ゆり 2007-05-15 20:56:20
notebook Home 戻る