ゆうくれにガラスの世界が手招く
プル式

夕暮なのに空は青く水色で
辺りをオレンジの空気が
流れるのに暖かな記憶は

思い出に妬けた赤瓦
錆びたトタン
泣いている子供
薮蚊だらけの雑草の森
自分を分解していく幻想

神社の境内の苔むした縁側
僕の記憶を埋めた場所
あの頃僕は
何処に行きたかったんだろう
何を見たかったのだろう

水の匂いがする
夕暮れなのに空は青い
線路の電線に雀がないた
ホームにはいつしか
明かりが燈っていた。


自由詩 ゆうくれにガラスの世界が手招く Copyright プル式 2007-05-14 19:57:18
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季節もの