浮島
千波 一也
さかずきが、
まわる
ひとづてに咲く
ゆめまぼろし
を
裂いては遠のく
かなしげな、
さめ
ゆびさきに乗る
花びらが、
よる
わからぬままの方角は
なおうつくしく
影を研ぎ
ふれる、かぜ
かおる、
とき
かりそめの陽に
華やいで
いたみ、
まどろみ、
かんむりは、つゆ、
いつの波にも
牙、こぼれ
声は
向かう
いさぎよき、
かなたのためだけに
おぼえておけない
微笑みで
自由詩
浮島
Copyright
千波 一也
2007-05-14 07:59:21
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