夕陽
mayaco

白い箱は空っぽで
その白を
空白だと思ったから
たくさんの穴を見つけた

その穴から眺める空は
いつも穏やかで
時々水色の風が吹いていた

水色の扉を開けると
そこは穴の中によく似ていて
すっぽり私はくるまれた

窓からはいつも
白い空に
たった一つの夕陽

沈んでゆく出口
二人で眺める出口

出られなくてもいい
白い箱の中は
心地よく空っぽで

もうすぐ空には月が出る



未詩・独白 夕陽 Copyright mayaco 2007-05-13 22:10:23
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