大門通の白石遊郭秘話
板谷みきょう

朝日さえ当たらぬ 
この長い廊下 
軋みだけが
響き渡る



売られて連れられ
廓の網 
格子窓から
手を出して
遊客に色を売り 遊客に色を売り

組み敷かれ色声
漏らしながら 
どこか覚め
夢見る
いつの日か出られる日を いつの日か出られる日を

かげろうの身はかなく
露と消え 
長く見た夢が
叶う
今やっと自由に 今やっと自由に

朝日さえ当たらぬ
この長い廊下
軋みだけが
響き渡る

亡きがらを引き取りに 

亡きがらを引き取りに


自由詩 大門通の白石遊郭秘話 Copyright 板谷みきょう 2007-05-13 13:04:46
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
弾き語る歌(うた)の詩(うた)