僕というとてもちいさなすべて
ae96

 「 僕というとてもちいさなすべて 」

                      現在は錯覚。
                      感覚の針は常に
                      過去を差している。
                      僕達が「今」だと
                      思っているのは
                      ほんとうは もう
                      過ぎ去りし幻影。

         光を察知する網膜 
         信号を伝える神経
         情報を解析する脳

         一瞬とはいえ 

         生じるタイムラグ 

         現象を認識したとき 
         その出来事は もう 

         過去の話。

                       時間は変化の単位。
        
                       刻一刻と世界は姿を変え
                       渦を巻きながら
                       僕たちを飲みこむのだ!

         0が1になる瞬間
         1が0になる瞬間
  
         無限のエネルギィは
         そこを動こうとしない
        
         
                       真白な無へと向かい
                       真黒な空白になりつつある
                       マクロ的存在は
         
                       やがて爆発する。

         まるでストロボのように
         繰り返される誕生と死
 
         歴史は植物のようなものだ。

                       生きているってことは

                       最先端をいくということ。

                       つまり僕達は可能性。 
         
                       僕達は若い芽でさらに
                       未来へと伸びる好奇心。
   
         現在という幻のなかで
         それでも懸命に感覚を駆使し
         生身のカラダで行く先を探す。
         

                        
                 

                  ここにいる
       
       
             「僕というとてもちいさなすべて」

   

                 未来への道は   
                 
                 いつだって
                 
                 ちっぽけな目の前に
                   
                 広がっているのさ!








自由詩 僕というとてもちいさなすべて Copyright ae96 2007-05-12 11:01:13
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