エリートと呼ばれるために
快晴

理想の仕事を選ぶというのは非常に難しい
まず当たり前だが興味を持てる職種のほうがいい
そうでなければ私の性分からして長くは続かない
その為にはまず自己分析が重要になってくる
このことは非常によく言われることである

そして次に職種や環境も重要である
もしかしたら職種より大事かもしれない
まず上司は尊敬出来るような人物がいい
間違っても女性新入社員に赤ちゃん言葉を使うようではいけない
そういう場合はすぐにスタッフサービスに駆け込む必要がある
不惑を過ぎてからの絵文字の多用も考え物である

そしてお局様にも要注意である
彼女らは欲求不満な上に自意識が過剰なので
何かの拍子に体が少し触れただけで
「あの人はセクハラ魔なのよ」と言い触らされる恐れがあり
もしも「セクハラするにも相手を選びますよ」なんて言ったら
いつの間にか裁判所通いかもしれない

そして好きなタイプの女性社員も欲しいところだ
ただ職場恋愛にもまた注意が必要である
私はイケメンな上に仕事も出来るので
きっと彼女は私に惚れてしまうことだろう
しかし私はモテるのでいつ別れるかも分からない
もし別れたとしたらその後が少し気まずい
彼女はそれに耐え切れず退職してしまうだろう

あと出来れば始業時間も遅いほうが良い
まず私は朝が弱いしラッシュが苦手だ
もしラッシュの中で痴漢なんかに間違えられたら大変である
最近は痴漢の冤罪なんかも多いようである
だから私はラッシュ時に電車に乗る時には
必ず両手を掲げて元気玉を作っている

また有給が使いやすい環境であって欲しい
更に欲を言えばズル休みがしやすければ尚良い
私は生まれつき嘘をつくのが苦手なので
「朝起きたら椅子になっていました」なんて言えない
以前にやっていたバイトに遅刻した時
「電車が道に迷いました」と言ったらクビになった

そんな私は今日も定職が定まらず
妹の財布から福沢諭吉を失敬してスロットを打つ
真っ赤に染まる西の空がやけに瞳に眩しかった
家族の視線が冷たいのは気のせいだろう


自由詩 エリートと呼ばれるために Copyright 快晴 2007-05-12 09:07:42
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