現実が虚構に勝つ時。その嘘。
箱犬

今日、久しぶりに夢を見まして。


 −僕はとても大きなヒグマ。 そして僕はとても尊敬されていました。

 たくさんのお供え物。口へと自動的に運ばれる食べ物。

 僕は大きくなりました。

 「ほらみなさい。あんなふうにあなたもおおきくなるのよ」

 クマの親子が僕を見て楽しそうに笑います。そして一礼をすると去るのです。


 僕は苦しくて。お腹いっぱいなのに食べなくてはいけなくて苦しくて。

 でもお供え物と尊敬の念は消えません。

 「ほらみなさい。あんなふうにあなたもおおきくなるのよ」

 クマの親子が僕を見て楽しそうに笑います。そして一礼をすると去るのです。


 僕はどこまでも大きくなりましたとさ。


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さて、僕が常日頃思っているのは何故か一般ウケしないようです。

唐突ですが、そんなものらしいのです。

ある人に聞いてみました。

「何故、詩を書くのですか?」

ある人は答えました。

「そこに価値があるから。」

僕はさらに聞きました。

「何故、みんなに見えるように書くのですか?」

その人は答えました。

「それが詩を生み出すから。」




リフレイン リフレイン





詩を書く理由なんて考え出すとキリがありませんが、やはり僕は思います。



アナタは何故広告の裏に書きなぐったり、便所の落書きで満足せずに

みなが見えるように詩を書くのですか。



この答えがわかるとき。この答えが理解できるとき。

僕は詩を書くのを止めようと思います。







…まぁ、嘘なんですけどね。

どこかが、ね。


散文(批評随筆小説等) 現実が虚構に勝つ時。その嘘。 Copyright 箱犬 2007-05-12 03:42:57
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