父のこと(やすりをもつ)
蔦谷たつや
帰る。
父の元へ帰る。
いや―
父は、いない。
だけども、死んでなんかはいない、
らしい。
(父の大きな肩を見て、育たなかった。)
(父との思い出、あれはもう、小学生の頃か。)
(父は、僕や二人の弟や、母が嫌いだ。)
(父は、無論、子供に好かれていない。自業自得である。)
帰れない。
父の元へ帰れない。
無論、父は、いない。
自由詩
父のこと(やすりをもつ)
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蔦谷たつや
2007-05-12 01:26:48
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