創書日和「風」
イズミナツキ

木々は揺れてざわめき
雲は流れて、太陽が見え隠れしていた
放り投げたボールは
狙った所とは全く違った方向へ飛んで行った
花びらが舞い散り
砂っぽい空気で汚れていた

鳥はどうだろう
僕の心をかき乱して
君を見失ってしまう風を
その両翼で切り、飛んでいるのだろうか
その両翼で空を拓き、飛んでいるのだろうか

風を掴めるなら
風に乗れるなら
明日という日は憂鬱でしかないだろう
昨日は闇に閉ざされていて
今日は居心地が悪かった

教室の窓はがたがたと音を立て
カーテンは何度も翻った
声はかき消されて
見上げれば
雨が降りそうな灰色の雲が流れていた
届けたい心は
想った所とは全く違った方向へ飛んで行った
花びらが舞い散り
そして僕の心は
砂っぽい空気でざらついて、乾いていた


自由詩 創書日和「風」 Copyright イズミナツキ 2007-05-11 23:01:27
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