ゴム
はらだまさる




山鳥は、
 語りえない

ゴム、しゃぼん
 せかいは いとも
  かんたんに

 喧嘩する
  きみを ぼくは零す
しゃぼんのせかい しゃ
 ぼんの せかいは 簡単に
  燃え尽きて
    青い、 融ける


 俺はゴム、 きみは
   きみは壊れてしまう 割れる
  消える、つながらない

   国道367号、途中峠
    安曇川沿いで
  ぼくの車が 煙を吐いてる
   冷却水が ふきだす
     足りない
     車が エンジンが
      燃えている ゴム
        しゃぼん
       怒りが 足りない
      優しさが溢れて
     世界は あまりにも
      脆い 森が笑っている
       川が ほら、
     あ、天気雨、ざあざあ

    二年前の 土砂崩れで
     橋が、そうだ電話が
      つながらない

    ソフトバンクに
     変えたから
      橋が、つながらない
     燃えている エンジンが
       狭くて 怖い
      交通しない、橋が

    木漏れ日が、
      ゴム、しゃぼん


   *


     京都の
   北大路通り、ぢゃないや
    今出川通りの、真っ赤な
    天然酵母の 酸味、甘み
     パン屋さんに きみは

      後方確認、し忘れて
       黒い、
      スーパーカブに乗って
        事務職をしてる
         女の子と

      ホンダのライフで
     十年近く、乗り込んだ
      ライフで、白い
       人生が


      ぶつかった


   *


  山鳥のように
   素直に生きたいと、
   
   そんなことを
  魯山人は云う、


  きみを、ゴムは
 じっとみつめている
  ぢっと

きみが、 ぼんやりみえる
 アフロ、かと思うと
  アムロみたいに
   めたもる
    ふぉーずする


 トルコで絶大な人気の
  タルカンの『Dudu』を
   きいている、




   きみは、せかいは


    しゃぼん


     俺は
    燃えている

      ゴム、








  今度は

   蘇州の 橋を


    渡ろう










自由詩 ゴム Copyright はらだまさる 2007-05-10 22:27:31
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