百科博物館 改
ICE

剥製が
目先に
横たわっている


艶消しの暗い壇に、一枚ガラス(宙の数分の一、水族館の水槽よりは厚手)を隔てる。甘やかな怒声が響く部屋。

後ろ隣の二人連れ(性別はふめい)は、「私も飼っているよ」と片割れが胸を割き始める。あれは、貴方が好きな色。

【む】

私は彼の皮膚が好い。染みの目立たないその皮膚は、撫でれば溶ける、確かそうに違いない。(触った覚えがあるようなないような)

そうこう方々眺める内に、私は、正しい涙の使用方法を忘れてしまった、模様。


自由詩 百科博物館 改 Copyright ICE 2007-05-10 20:22:43
notebook Home