テルテル坊主

小学校になる前

僕はここで育ったんだ

あれから10数年

すっかりとこの街は高いビルが立ち並び

昔の面影を消そうとしていた

僕の成長に合わせて

町も成長しているのが分かって

何か寂しくなった

でも僕は見つけたんだ

いつも友達と遊んだ公園だって

あの曲がり角の気さくな八百屋さんだって

お花見をした桜の木だって

変わってなかった

僕は町の隅っこに

どことない面影を見つけたんだ

何か帰る所を見つけた旅人みたいに

安堵と喜びの波が涙腺を襲って

涙を流してしまったんだ

また、帰ってくるから

じゃぁ行ってきます


自由詩Copyright テルテル坊主 2007-05-09 22:31:28
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