風に抱かれて
北大路京介

暖かい丘の 暖かい風に抱かれて 僕は眠りたい
幼き日に見た 夢の続きを のんびり見ていたい

    「恋する乙女の 視野は狭くて 困ってしまう」と あいつが言う
    「そんなことは僕には関係ない」と 眠い眼こすって 僕は歩く

    やわらかな陽ざしが 背中を押して 僕の体は浮かんでいく

暖かい丘の 暖かい風に抱かれて 僕は眠りたい
幼き日に見た 夢の続きを のんびり見ていたい

     「わたしの気持ち 解ってないの」 あいつの不満を あの娘が言う
     「その話は明日 聞いてあげるから」 優しく断り 僕は進む

     ウソもマコトも 解らないけど まぶたの重さ感じてる


おだやかな木々の おだやかな声に もたれて そっと眼を閉じる
僕しか見られない 夢の続きを のんびり描きたい

     羊の群が 西へ 西へと 戻っていく

暖かい丘の 暖かい風に抱かれて 僕は眠りたい
幼き日に見た 夢の続きを のんびり見ていたい


自由詩 風に抱かれて Copyright 北大路京介 2007-05-09 13:33:31
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