詩人たちへ
かや
もう読みたくはないのだ
わたしは明るい光のもやもやと
たゆたうなかに身を落とした
ここでは視界も聴覚も澱んで
生温くて居心地がいい蜜液のような
見詰め過ぎたのだよ秒針の動く早さとたどり着く先とを
針と針の間を裂き開いてしまえば
残酷な黒い時が溢れ出すとも知らず
罰を受けたのだよ二度とその指で
太陽を掴もうとするなとイカロスのように
もう聞きたくはないのだ
詠うな絶望にひとすじの炎をを揺らめかせた瞳で
惑するな病んだ詩人よ
健全すぎる精神に逃れたわたしを
ああ鋭く笑った美しい病魔が
指先をするりと汚していった