灰と雪
たもつ

ひとがひとの形をして笑っている
ひとがひとの形をして泣いている
国道を走り
国道は走られ
やがて国道は海へと続き
ほとんどのひとはその手前で右か左に折れ
他の所へと行こうとする
ひとがひとの形をして命を乞い
ひとがひとの形をして祈る真似をしている
ひとはたくさんの水分を含み、固まり、形となり
それでも燃やせばすべて灰になる
/明日ピクニックに行こう
/手作りのお弁当を持って
/燃やせば灰になってしまうお弁当を持って
/誰かの口癖のように
/もう少し生きてみたいね


自由詩 灰と雪 Copyright たもつ 2007-05-08 17:41:11
notebook Home 戻る  過去 未来