青空の住人
快晴

空の青を一枚剥がしてみた
それでもまだ空は青かった
私は意地になってもう一枚剥がし
そして何枚も何枚も剥がした

そこには青い瞳をした少女がいて
私の嘘を全て映し出していた
「嘘だって時には必要なんだよ」と
私は言い訳をして目を逸らした

今度は青い顔をした少年が現れた
何年間も病気で臥せっていたような感じで
「僕はもう長くはないみたいなんだ」と
私の手首の傷跡を見て告げた

そして青い髪をした神父にも会った
彼は世界中の青空を飛び回っていた
「青空は全てを許してくれるんだ」と
私が懺悔を始める前に諭した

最後にもう一枚だけ青空を剥がすと
そこには静かに凪いだ海が見えた


自由詩 青空の住人 Copyright 快晴 2007-05-08 16:21:07
notebook Home