追憶
朝原 凪人


陽気の中で囀る小鳥
陽気に響くその歌声
あてつけのように

心待ちにしていたのは私
軽やかに舞い踊る水色の空気
柔らかに頬を撫ぜる緑色の風
そこに見つけた新たな季節
おかえりなさい

優しい光に抱かれたのは私
確かに過ぎ去る白の季節
ざわつきはじめた心
友との別れのように

ふと零れたのは涙
攫っていった蒼の匂い立ち籠める風
いつか先をゆく彼に届けばいい
神への祈りのように

風の流れに放り投げた視線
そこに乗せた一片の言葉
ありがとう


自由詩 追憶 Copyright 朝原 凪人 2007-05-06 15:55:03
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