潜在している夏
深雪

木漏れ日が邪魔をして普通に歩けない
琥珀色に変化した涙が
長い月日を経てここに落ちてくるようで 立ち止まる

ずっと願っていた声を 
じかに聞いてみたくなって電話をかける
何にも変わらないね
大人になったって何年経ったっていつまでも私

少し前までは
水を含んだように青い陽が新しい風に揺れていた
あなたと再び会うまでは

光の中の水分量
今なら上手く計れる気がする

乾ききらないうちに手を握る
変わらないあなたと 置き去りにした夏を直してみたい

そんなことを可能にした私たちの縁
あなたといると
ブラックホールのような孤独を識るけれど
彷徨う私を導くように深い海を与えてくれる

過ちなんて何も無いから
私はそこに流れていく

ひどく疲れているのに自由

在るようでない もうひとりの自分がいる












自由詩 潜在している夏 Copyright 深雪 2007-05-06 00:09:51
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