空っぽの掌
チェセロロ

話してしまいそう
彼の存在は最大の脅威
このままでは引きずり込みそう
それはダメだと線をひく

何故 と問いかける残酷さ
私は彼が好きだけど
引きずり込むことは出来ない
そこまで残酷にはなれない

青い看板と
空っぽの屋内と
それから差し出された掌
いつまで拒んで良いですか

いつまで一緒にいてくれますか
隣を歩いてくれますか
まだ何も伝えてないけど
隣を歩いていてもいいですか

子供のような仕草の私
それを大人と言う彼は
私のどこを見ているのでしょう
私はどこを見られているのでしょう

黒い財布と
カーキ色の上着と
それから問い質す声
いつまでも拒み続けられない?

彼のやさしさは とても残酷で


自由詩 空っぽの掌 Copyright チェセロロ 2007-05-05 23:11:55
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