まわる
山中 烏流

ちょっとだけストレンジ、と
か細く笑う君 は
その意味を知らない
まだ
全てを許しきれていない
 
それは勿論
僕も同じことで
 
そこにいる
快楽殺人者は、許せるけれど
デパートの屋上の
子供を殴る母親たちは
どうしても、許せない
 
 
誰もが何か
許せないものがあるように
 
世界にも
許せないものが
あると、したらそれは
 
 
多分、ロンリネス
とかまた
君は言うけれど
きっと意味は分かってない
何も信じていないから
 
そうして僕は
そう、とだけ返して
君を信じない
何も信じないことにする
 
 
誰もが何か
信じたい気持ちの裏で
信じたくない気持ちが
渦巻いている
 
世界にも
信じたくない気持ちが
あると、したらそれは
 
 
(無くなって しまう の ?)
 
 
あと、ちょっとだけ
戯言に付き合って欲しい
そう言う君は
今度こそ、ちゃんと分かってて
 
許せないけれど
信じないけれど
とりあえず、付き合うことに
してみる
 
 
そんな感じで
上手く回っているのかも、
しれない
 
この、世界は。


自由詩 まわる Copyright 山中 烏流 2007-05-05 14:46:59
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