詠えるロッカー
あおば

            2007/05/04


短く言えば
ロック
手短にロック
川越線のロック
東北本線のロック
東西線のロック
埼京線のロック
西京漬けの鰆を購入
ボラの卵を唐墨にして
麗しい和歌を認めようとしても
唐墨はご禁制だから
高いから
ロックなことにはなりませんと
ワケワカンナイ!

歳月は人を待たない待たせない
パラシュートのようなスカートを拡げられ
都市化の波に覆われて
いつの間にか消えてしまった防波堤の先の波消しブロック
ペットボトルの中の
天然水
炭酸飲料
虫下しのサントニン
水たまりの中の孤独感
誰もいない夕暮れ
静かな湖畔での
名探偵の登場する前に
あっという間に解決してしまった
単純きわまりない黄金紛失

行間隔がギョウニンベンを伴って
昔懐かしい阿漕なギターを爪弾いて
名探偵が来ない家に閉じこもり
最後のチューンを決めるのさ

ロックの後にはろくでもない連中が
群れをなし
拳銃を一斉にぶっ放し
街中の大人しい人たちを
パラシュートのようなスカートに閉じこめて
ご禁制の唐墨を独り占め
食べ尽くす

そんなこと嫌だと
今年生まれたボラの子が喫水線を高くして
すいすいと河口へとやってくるのが見えるでしょ

ロック!







自由詩 詠えるロッカー Copyright あおば 2007-05-04 23:17:30
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