夢の人影
服部 剛
目の前はすべて
煙に覆われていた
幾層も掻き分けた向こうに
握った拳を突き上げた人影が
腕を下ろすとこちらへ歩いて
すうっ と
わたしの内側に入った
*
目が覚めて
身を起こすと
窓の隙間に
カーテンはふくらみ
わたしの内側に
あの人影が
ずっと昔から
いる気がした
自由詩
夢の人影
Copyright
服部 剛
2007-05-04 22:44:09
縦