一人鬼ごっこ
ぽえむ君

ふと車を走らせて
海の見える道路で
車を停車させる
ある晴れた休日の昼下がり

静かに広がる風景よりも
近くにこんなところもあるのかと
そんな発見の方が新しい
風は冷たく強かった

遠くで船が横切っている
何の船なのか
どこから来てどこへ向かうのか
そんなことはどうでもいい
目的だけの生活から逃げてきたのだ

潮の匂いの中にいる
今は逃げ切れた場所にいる
現実の自分にざまあみろ
と言わんばかりでいる

同時にまた現実に捕まって
そこから今度はどんな方法で
逃げてみようかと思える自分もいる

車に戻り
タバコを一本吸ってから
今まで走ってきた道を戻っていった
風は海から吹いている


自由詩 一人鬼ごっこ Copyright ぽえむ君 2007-05-04 22:07:38
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