欠けた月
今田コボ
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笑う事をやめた月
わたしはそれを
悲しみと呼んだ
いつからかわたしたちは
色を忘れてしまい
光を失ったまま
月と一緒に
やせほそっていく
ここは
あの人のいない世界
空にたくさんの
穴が空いていて
人々が穴に吸い込まれていく
今日も、明日も
誰かが姿を消す
そしてあの人も
わたしはその穴を
一つ一つ確かめる
あの人の残していった
ニオイを頼りに
一人は厭だから
あなたのいない世界は
ほら、
こんなにも冷たい
わたしまるで
凍っているみたい
青白くて
月が、消えた
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自由詩
欠けた月
Copyright
今田コボ
2007-05-04 18:32:41