怪人は最果ての岬に
相馬四弦

くるくる踊る たんぽぽを踏まないように 最後の季節の

幼子の髪の

ように甘い香りの

ぴんと露を弾く若葉に覆われた丘で

怪人は身体をあたためる

とてもおいしい 熟れた潮風 吸い込んだ

遅い朝に舞い降りる寂しさも

これで平気

踊るよ 踊る

岬の先まで駆けてって

頭の中は全部青色 息を切らしながら

そして誰にも聞かれないように

恋をした少女の名をつぶやく






自由詩 怪人は最果ての岬に Copyright 相馬四弦 2007-05-01 19:07:47
notebook Home