振る、雨
今田コボ


朝露が髪にあたり
それは次第に
大量の雨へと変わっていった
頬を伝って体中に
染み渡る
冷たい雨
歪んだ風景
溶けていくわたしは
雨、同化していく



高すぎて見えない
遠い空から
降ってくるわたし
(ゆれ、る)
(ゆ れる)
さびしさは雨から始まる
皆が雨になっていく
こわれかけた自分を
抑えきれない大人たちは
雨、同化して
お互いを慰め合う


(ゆ、れる)
(  ゆれ、る)



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自由詩 振る、雨 Copyright 今田コボ 2007-05-01 16:41:01
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