みっともない恋がしたかった
弓束
かなしさが流れてうつくしくて、あまいような
そんな感覚ばかりを欲したわけではないのだけれど
しょうこりも無いととがめられそうな、なにかを掴んでしまいたかった
、(あなたの持ってる恋の詞をください)
陳腐なことは好かないし、大袈裟なのはだらしないだけだよ、と
いつかどこかで少女にたしなめられたけれど
それでも構わないまま、淡い憂鬱をくちずさんでみたかった
うるわしきロマンスは目をつむっても見つけられるのに
うっとうしいほどのテイストをしたお砂糖は
すぐにすり抜けるみたいに逃げてく
・みっともない恋がしたかった
喩えるなら、ほつれたブラウスや伸びた靴下みたいな。