みっともない恋がしたかった
弓束

 
 かなしさが流れてうつくしくて、あまいような
 そんな感覚ばかりを欲したわけではないのだけれど
 しょうこりも無いととがめられそうな、なにかを掴んでしまいたかった

 、(あなたの持ってる恋の詞をください)

 陳腐なことは好かないし、大袈裟なのはだらしないだけだよ、と
 いつかどこかで少女にたしなめられたけれど
 それでも構わないまま、淡い憂鬱をくちずさんでみたかった

 うるわしきロマンスは目をつむっても見つけられるのに
 うっとうしいほどのテイストをしたお砂糖は
 すぐにすり抜けるみたいに逃げてく
 
 
 ・みっともない恋がしたかった
 
 
 喩えるなら、ほつれたブラウスや伸びた靴下みたいな。


自由詩 みっともない恋がしたかった Copyright 弓束 2007-04-30 03:34:12
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