「螺旋の光、虹色の夢」
和 路流(Nago Mitill)

輝ける あなたよ、 
その命は、いつまで続くと思う?
悲しいほど 遠く広い この地上で、 
私たちの声は、どこまで伝わるのだろうか。

去り行くものは、限り無く遥か。
猛々しく この身を躍った、温かな血潮も、
語り尽くせぬ、深き晴れやかな大地へと、
言葉 記す間も無く、喰われるだろう。

螺旋の先に見えるものを、
あなたも また、望んだのですか?

ついばむように命を吸い続け、
残るものは、なんでしょう?
…あなたが追いかけるものは、いつも 螺旋階段の上。
けれど、今、輝こうとする あなたよ、
聞こえますか?
夢見ることは、私たちの罪ではないのです。

あなたに訪れるものは、すべてが一瞬、淡い虹色の光。
あなたよ、 
夢見る命の光を掻き分けて、夢より確かな声を切り拓け、
この虹色の螺旋の彼方に。

あなたが追いかけるものは、永久に螺旋階段の上。
けれど、すべてが沈黙の帳へと色を変える前に、
まばたきにも等しい、あなたの命の螺旋が消え行く前に。

輝ける あなたよ、
夢見ることは、罪ではないのです。


                  (1999年・筆)


自由詩 「螺旋の光、虹色の夢」 Copyright 和 路流(Nago Mitill) 2007-04-29 16:35:06
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