夜の底
村木正成
夜風が強くて
ガラス戸が揺れる
冬の断末魔のように
ガラス戸が揺れる
蠅が一匹手を擦り
未来の行方を見つめてる
ビー玉が溢れんばかりの
夜の底
何も語らぬ
夜の底
カラスたちが
教会のうえに集まり
誰をさらうか相談し
街から子供がいなくなる
ガラクタが蛮声あげる
夜の底
何も語らぬ
夜の底
自由詩
夜の底
Copyright
村木正成
2007-04-29 09:18:09