見崎 光

故郷を
遠くに思いて
見る空に
七色の橋が
瞳を捉えた

さっきまで雲が
涙を溢していたというのに
風にくすぐられた頬を
照れくさそうに赤らめながら
陽射しを漏らした


足元には小さな水溜まり
映る空は
いつの間にか青くて
見上げたそこは海のよう
ただただ静かに
泳ぐ白い雲と
そう
虹が…咲いていた


本当はすぐそこに
故郷はあって
遠いと
思い込んでいるだけの
幻覚にすぎないのかも
しれない


あの虹の麓に
還るべき場所がある

七色に変化を繰り返しながら
偽りを拭い
真実を纏っていく
そう
この橋を渡り終えるまでには…










自由詩Copyright 見崎 光 2007-04-28 14:38:07
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