貴女への想いを
はじめ
貴女への想いを空へ投げて宇宙の果てへと波紋を伝わらせる
そうすることで僕は自分の気持ちを世界に示そうとする
特に夜空に
あの無限の星々は僕のものとなるのだ そして深呼吸した胸に星々の光が入ってくる
永遠に胸の中で輝き続けるのだ
貴女へ胸を張って会いに行ける 黄金色の落ち葉舞う果てのない並木道で貴女は待っている 僕は笑顔の貴女の元へ駆け出して同じように笑顔を示す
貴女は僕の全てを受け止めてくれる そう書いた後に流れた涙さえも
僕は永遠なんて要らないと改めて思う 永遠なんて要らないから貴女を愛せる
僕は貴女と僕の間の空気が愛しい 僕は詩人になって改めて良かったと思う
僕がまだ幼かった頃 二人の間の空気は僕を諦めさせ 貴女を沈黙させた
貴女は死んだあの人の笑った時の横顔に似ている 八重歯が印象的なあの人の顔
僕は右手をあの人の骨壺に入れて遺灰を握り取る 脆い骨の破片が砕けてバラバラと下へ落ちていく 僕は鼻を近づけて骨壺の匂いを嗅ぐ 死の匂いがする
僕の背中で流れ星が流れていくよ 僕は旅人になるんだ あの人の骨壺を背負ってあてもない旅を そうすれば本当の心の傷が癒えるような気がするんだ 君じゃないと駄目なんだって言ってる?
愁傷の中 無表情のまま場を和ませようとする小さな硬貨 この世界は過去のどんな世界よりも奥深く 希望が滲み出している 君の幻聴と既視感の浄書
自分の妄想に殺されそうになった僕(本当の自殺未遂) 空はセピア色に染まりおどろおどろしく無限の雲が地獄へ向かって進み 無辺際の大地は僕の心のように渇き切り巨大な地割れが起きていて 雲に雨を強く欲している
暗闇の僕 一旋律の曲が流れてくる 僕は必死に何かから逃げだそうとする これは芸術だ 僕にはこの詩が何か無造作に物体が差し込まれてできたオブジェのように浮かんで見える 僕はピアノの曲を名前は分からないがメロディーだけで1000曲以上知っている 英雄ポロネーズとこの詩は似ているような気がする そう思い上がるのもここまでにしておく
平衛を保っている三次元の世界で 僕は貴女への気持ちだけで生きているよう気がする 僕は貴女と一度ゆっくりとあてもない話をしてみたい それだけで僕はもっと強くなって生きていけるような気がするんだ 君の八重歯が僕の親知らずとなって奥歯に生えてくる 僕はこの歯を君の八重歯だと思って生きていこうと思う 貴女と会うときいつも髪型が決まらない 今日だけはゆっくりと時間が流れていくような気がする 僕はゆっくりとココアを飲み 暖炉の横で揺り椅子に腰掛けながら 今日貴女と話したことを思い出していく そして体が冷えないうちにベッドに潜り込んでぐっすりと眠るつもりだ 睡眠中のある一時 僕は目を覚まして 貴女と君への想いを空へ投げて宇宙の果てへと波紋を伝わらせる