シャロン
そらいろ☆コゾウ
僕の目の前にあるのは
君の赤いヒール。
真っ赤なヒール。
真っ赤な林檎を踏み潰す。
君のヒールは
僕の頬の上で踊りだす
冷たい
硬い
ジャリジャリするよ
ねぇ、シャロン
笑っておくれよ。
馬鹿だといって笑っておくれ。
君の為なら何でもすると
約束するよいつだって
君の瞳に僕は映らないけれど。
ねぇ、シャロン
笑っておくれよ。
悲しいフリなんて辞めてしまって
辛いことなんて捨ててしまって
もしくは、そうだ
それはそんな悪いことかい?
いつか君は飽きてしまって
檸檬を齧る
顔をしかめて
長い指で潰して玩ぶ
あぁ今日も
そうして暗闇から抜け出せないと言うのなら
僕が
僕が
君に光をさしてやるのに
知っているよ
僕じゃダメだって言うんだろ。
けれどそんな
瞳に影をつくってしまわないで
あぁ、シャロン
笑っておくれよ。
僕はどうなったってかまいやしない。
大事にしていた時計はゆうに誰かの処へ行ってしまった。
君の歪んだ唇は今日も誰かのものになって消えていった。
あぁ、シャロン
笑っておくれよ。
君に何も残せないこの僕に。