「気球」
ソティロ

「気球」




気球に乗って
ぼくは旅に出る
今 ふくらましてるとこ
きみは
地上に立って
それを見てる


ぼくはたぶん
他の人らとそりが合わなくて
もうずいぶんつかれてる
だから
気球に乗って
上空から見た町だとか
遠くの景色とか
雲の上のようすとか
星座とか
そうゆうものを地上に知らせたり
おもしろおかしく聞かせるかかりになる


だから
ずっと空に居るわけでもないし
きみなら
ぼくの気球に乗せてやってもいいぜ
雲の上を見たがっていたろう
ぼくは
遠くの国へも行ってみるつもりだ
それには風をよまなければいけない
だから
とうぶんここへは帰らない
今言えば
乗せてやってもいいんだぜ




ほんとうは
きみに乗ってほしいんだ
そしたらぼくら
ムーミンとフローレン
もしくは
パズーとシータ(これは気球じゃなかったか)
みたいだろ
どんな光景だって
ひとりきりじゃ勿体ないんだ


ほんとうは
ひとりでゆくのはすこし心細いんだ
きみが居たなら
ぼくはきっと強くなれる
気がする
ぼくらこれからおとなになるよ
気球は
もうすぐふくらむところ







自由詩 「気球」 Copyright ソティロ 2007-04-26 04:11:21
notebook Home