glass pumps
三架月 眞名子

キミの口許は

楽しいとか

幸せとか

夢みたいとか

そんな希望を垂れ流して

完璧な微笑みを浮かべていたけど

目だけは笑っていなかったね

本当にただの一度も笑わなかった

その淡いブルーの瞳は

ボクの実体を完璧に通り越して

背後にそびえたつ

名誉や

富や

地位といった

欲の塊に注がれていたこと

気付いていたよ

ボクはただのバカぢゃない

だけど

ボクは本当に愚かだから

それでも構わないと思ってしまった

例え飾りでも

付属品であったとしても

キミのとなりに位置していたい

その口許に揺れていたい

だから

キミが計画的に脱ぎ捨てていった

ガラスの靴を地図にして

キミを探しにいくよ

迎えにいくよ

ボクにかけられた妖精の魔法はどうやら

0時を過ぎても解けなかったみたいだ



自由詩 glass pumps Copyright 三架月 眞名子 2007-04-25 20:47:48
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