空平線
石田 圭太

骨のことなら知っています


奥深く平面的で
動物的な空が


罪深く走る夜
立てるよ、と勘違いをする男が
束になって走っていました


((はしたなく
    ((はしたなく


潤う春が横たわり


暴かれた窓に
羽が立ち


それを拾いました







はばたく波に埋めると
あらかじめ約束された実りをして


灰色のカーテンにくるむと
おぎゃあ


と泣くので


慌てて骨をとりだして
空に返しました







捨て犬の遠吠えが
夜を寂しく織っています


うぅおぉぉーん
うぅおぉぉぉーん


織っています


寂しい静物を束ねるひかりの線は
黒いゴムに覆われ決してあふれはしません


あふれないひかりの上で
空を許された生き物は安心して眠る


鳥や、羽虫までもコトリと


あるいはそのまま永く眠る




自由詩 空平線 Copyright 石田 圭太 2007-04-24 21:09:54縦
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