時の門番
ぽえむ君

どういうわけか
門の前にいた
平安調の赤い柱と白い壁
門の屋根の下には
「時の門」
と書かれていた
その重たそうな大きな扉の前に
甲冑を身にまとった
時の門番が立っていた
自分の存在に気がついて
こっちに近づいてくる
足音の一歩一歩が
地面を揺らすかのようだ
自分は何も動けない
声も出せない
門番は自分を睨めつけながら
「お前は『今』だな」
「ならばここに来る必要はない」
腰にかけた大刀を抜こうとしてた
自分の地面だけがなくなり
そのままどこかに落ちてゆくようだった
目を開けると
青い空の中に白い雲が流れていた
周りから人々の声がする
遊園地でうたた寝をしていた自分に
ようやく気がついた
ここに自分の家族とともに今がある


自由詩 時の門番 Copyright ぽえむ君 2007-04-22 22:48:40
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