花、さようなら
小川 葉
道ばたに咲く美しい花を見て、
ああ、きれいね、
とだけ思えばいいのに、
なぜぼくはわざわざ、
その花をもぎとり、
家に持ち帰り、
花瓶にさし、
自分のものにしようとするのだろう。
そうすることで満足するぼくは、
少しだけ仕合せを感じるかもしれないが、
花の大きな仕合せは、
まったく無視している
ぼくの欲望というものは、
なんなのだろう。
やあ、はじめまして。
きみはきれいだね、
では、さようなら。
愛しききみよ、
さようなら。
自由詩
花、さようなら
Copyright
小川 葉
2007-04-21 18:21:51