土の中の馬
ぽえむ君

馬はずっと土の中で
千年以上も埋まっている
生まれた時は丘の上にいたが
数え切れないほどの戦乱と
自然の変化によって
冷たい土の中へと潜っていった
それでも馬は
丘の上から見た日の出を
忘れていない
墓に沈む夕陽は今でも
記憶の中にあった
地上で何が起きているのか
何もわからない

今でもあの武人たちが
僅かな土地と民を支配するために
同じことを繰り返しているのだろうか
それとも陽の沈まぬ土地を求めて
この地を捨てたのだろうか
あまりにも静かすぎる
地上は沈黙が支配しているのか
それもよかろう
陽が昇る地上を大切にしなければ
地上を支配することはできない
神は自分にもその資格がないことを
示したのだろう

土の中でその馬から少し離れたところに
武人の埴輪が横たわっていた


自由詩 土の中の馬 Copyright ぽえむ君 2007-04-20 23:36:20
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