土の中の馬
ぽえむ君
馬はずっと土の中で
千年以上も埋まっている
生まれた時は丘の上にいたが
数え切れないほどの戦乱と
自然の変化によって
冷たい土の中へと潜っていった
それでも馬は
丘の上から見た日の出を
忘れていない
墓に沈む夕陽は今でも
記憶の中にあった
地上で何が起きているのか
何もわからない
今でもあの武人たちが
僅かな土地と民を支配するために
同じことを繰り返しているのだろうか
それとも陽の沈まぬ土地を求めて
この地を捨てたのだろうか
あまりにも静かすぎる
地上は沈黙が支配しているのか
それもよかろう
陽が昇る地上を大切にしなければ
地上を支配することはできない
神は自分にもその資格がないことを
示したのだろう
土の中でその馬から少し離れたところに
武人の埴輪が横たわっていた