「 恋印象。 」
PULL.
第一印象。
「あああああ!。
やっぱりあの時思った通りのヤツだった!。
あんたってさいてー。
もうあんたと口きかない。
あっちいってよ。
関係ないんだから。」
「そんなに…ひどい?。」
「ひどい。」
「やっぱり?。」
「ひどい!。
もうさいてー。」
「じゃあこれは?。」
「もう…ばか。
キスだけは上手いんだから。」
第二印象。
「ふうん、
そうなんだ。
あんた意外と尽くすタイプなんだ。
よかったよ、
すごく。」
「お気に召していただけて、
光栄です。」
「ばか。
変な言い方しないの、
なんか照れるじゃない。」
「どうして?。」
「だってさ…。」
「だって?。」
「あんな風にしてもらったの、
あたし、
はじめてだったんだから…。」
「他の人は違った?。」
「うん。」
「どんな風に?。」
「あたしがした男たちはさ、
みんなもっとひとりよがりでさ、
自分だけよくて。
いったらもう、
それでおしまいって感じで…。
わっ!。
やだもう。
あたしなんでこんなこと話してんだろ。
あんたのせいだよ。
責任取ってよ!。」
「せきにん?。」
「そう責任。
絶対取ってもらうんだからね。」
「ええっと、
どうしたら…。」
「ここ。
ここで責任取って。
ほら、
もうここ。
元気になってる。」
第三印象。
「浮気はしなさそう。
されても笑っていそう。」
「してるの?。」
「うん。」
「誰と?。」
「あんたと。」
第四印象。
「化けて出そう。
…っていうより、
もう既に化けて出てる。
そんな感じ。」
「じゃあ化けていい?。」
「だめ!。」
「どうして?。」
「あたしが先に死んで、
化けるから。」
「化けたら出てくれる?。」
「もちろん。
毎晩、
あんたの所に化けて出て、
呪い殺してあげる。」
「じゃあ今夜は?。」
「今夜は死なない程度に、
あんたを殺して、
いかせてげる。」
了。